読み切り漫画「スタートライン」の感想を書くブログ

勝木光先生の読み切り漫画「スタートライン」の感想を書いていきます。

思うこと(2018.12)

■2018年12月18日に書いたものを一部修正して掲載しています。

スタートラインについて現時点で思うこと

訂正しました

(※ここでは最初から修正したものを載せてます)
最初の感想内でセリフが間違ってました… 「報いなくては」→「報いなければ」です。(修正済)
これはものすごく重要な言葉である上に、少しだけどニュアンスが全然違ってくるのでここは間違えてはいけない所だった…お詫びして訂正します。
「報いなくては」だとまだ義務感のニュアンスがあるけど、「報いなければ」は自分の意志でそうしたいってニュアンスな気がする。川喜田が自分で「彼の人生(しょうぎ)に報いなければ」と思う所が重要だと思うので。すみません。

何にホッとしたか(現文読解風)

日笠の「ホッとしちゃってた」は、何にどうしてホッとしたか?って文章を作ると、
露骨だが「将棋を諦めて生きていかなくて済むのでホッとした」みたいになってしまう…
(人によって解釈のあるところだと思いますが)
多分それは違うんだ、ということをこの作品は言いたいのだと思う。
自分のできること・最善を尽くすことが大事なのだと。

父に対する川喜田の論と同じで、じゃあ将棋ができなくなったら生きていけないのかって話だと思うんだよね。それは違う、と。
川喜田はだからこそ日笠に「活躍して欲しい」でも「頑張って欲しい」でもなく、『生きて欲しい』と願ったのではないか。
そう考えるとこの生きて欲しいはなかなか重い。
もちろんこの場面では川喜田的には日笠の手術が上手くいって病気を治して生きて欲しいという意味だとは思うけど。
(でも川喜田の立場からならこのくらい重いことを日笠に要求してもそれは全然おかしくない、と私は思う)

※追記…その後思ったのですが、「『夢』を諦めて生きていかなくて済むのでホッとした」が自分の中での完全解答です。

ハッピーエンド

友人の感想で「この話はある意味ハッピーエンド」という言葉があって、本当にその通りだと思いました。自分では勝負ものにおいて、あまり結果を求めていない(勝敗を競う中で競技者たちが何を思い戦ったかという部分が重要と思っている)ので、これ言われてみるまであまり気づいてなかったんですけど…
よくよく考えるとこのラストは凄い…報われたいじゃなく、何かに対して全力で報いる、その結果として報われたみたいな話だから。
川喜田の芯の強さがあってこそ、自分を肯定できたラストにたどり着けたという気もしている。

某WJのテーマ

他雑誌の昔のテーマを使うのはナンセンスかもしれませんが、スタートラインを「友情・勝利・努力」で考えると…
努力が一番多い・友情はまあ最後に芽生えたとして、勝利がない ということになる。
でもこれは何を「勝利」と考えるかによるか。
もしくは日笠の方に友情勝利努力の要素がある と考えてもいいし。
または 川喜田の在り方が日笠に友情勝利努力をもたらした と考えることもできるかも…
って全部かよって思ったけど全部だな…

個人的には、「勝利」とは
川喜田→「もう大丈夫」と自分を肯定できたこと
日笠→手術をして「生きる」道を選択できたこと
ではないかと思っている。
この「勝利」を得るのに、互いの存在が相互に影響しあっているのがすごくいい! と思う。