読み切り漫画「スタートライン」の感想を書くブログ

勝木光先生の読み切り漫画「スタートライン」の感想を書いていきます。

ベビステとの比較

ベビステ、つまりベイビーステップとスタートラインを比べると、スタートラインは死の概念も描いている部分が個人的に好きなんだよな~。
人生を究極に突き詰めると、結局「死」が終着点だと私は思っているので。

ベビステだと、エーちゃんがなっちゃんとの未来を想像する場面とか、当然のように二人が年老いている。だけど、それも奇跡的な事なのかもと、ここ数年の情勢を見ると思ってしまう。
でもベビステにいきなり死の概念が出てきてしまうとあの爽やかさがなくなってしまうので、ベビステはああだからいい、とも思う。

あと単純にベビステは長い…。(身も蓋もない)個人的に非常に長い巻の漫画が苦手なのもあるんですが。エーちゃんの物語は完結しているのに、連載は続いてたんじゃないかと思う。
いや確かにエーちゃんの人生はこれからもずっと続くんだけど、具体的に言うとエーちゃんがタクマに勝ったあたりで、主人公エーちゃんの成長ストーリーは終わっていたのではないかと思っている。その後のエーちゃんは、どんなに苦難があっても、「エーちゃんならきっと乗り越えていけるだろう」と思えるので。
だから、ベビステは確かに中途半端な感じの終わり方なんだけど、自分としては連載が続いてデ杯に日本ベストメンバーが出て優勝して終わったとしても、微妙…だったというか…。「日本のため」っていうモチベーションが個人的に全然ピンとこなかったのもある。
今の終わり方の消化不良感はなかったとは思うし、あの終わり方はやっぱり、編集部的に悪手だったと思っていますが。

わずか40ページのスタートラインと比べるのもちょっと違うかもですが、個人的に比較するとこんな点でスタートラインが好きです。
スタートライン掲載当時に、結局ベビステと同じようなことを描いているという感想も見かけましたが、確かに根底に流れるものは同じかもしれないけど、死という概念まで描かれている所は、少し違うのではないかと思っています。

それと作中には描かれていないけど…
日笠の爺ちゃん達は、両方が天寿を全うした時に「きっとあの世で将棋指してるね」と周りの人に言われそうで、それって究極の将棋好きだなと思った。
そういう究極の姿が想像できるのも好きです。